課題解決のコミュニケーション・ハブになる。~KARAKURIST 関川和成
こんにちは!カラクリ People & Culture の川島です。
『 カスタマーサポートを エンパワーメントする』という Purpose への挑戦を始めたカラクリ。
“ Empowerment ”
本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させる、つまり『力を与える』ことを指します。
カラクリには、” Empowerment ”というキーワードに強い想いを持つ、優秀で魅力的な KARAKURIST-カラクリスト-が多く在籍しています。今回は2021年2月に1人目のセールス・エンジニアとしてカラクリに入社以降、大活躍の関川和成さんの『これまで』と『これから』に迫ります。
KARAKURIST – 関川和成
Sekikawa’s Profile
■1993年生まれ。北海道出身。趣味はスカッシュ、ドラム演奏。
■カラクリでは1人目セールス・エンジニアとして2021年2月よりジョイン。
■2022年10月よりSales Engineer Team が新設、Team Leader を務めていく。
ーーまずは関川さんのキャリアを教えてください。
一橋大学を卒業後、新卒で野村総研(以下NRI)に入社しました。学生時代は所属していたゼミで、顧客体験の向上を目的としたデジタルトランスフォーメーションの海外での事例を分析・研究したり、Salesforceでのインターンを経験しました。インターンを通して、理論だけではなく、ソリューションが「お客さんの企業をよい方向に導く」ことを肌で感じることができました。そこでただ「考え方」を提案するだけではなく、「課題の解決方法」も一緒に提供できる企業で経験を積みたいと思ったことが、NRI への入社理由の一つです。
NRIでは、金融系システムの保守・運用、プロジェクトマネジメント(PM)を担当していました。PMは、大工の棟梁みたいな役割のイメージで、リスクマネジメントを中心にプロジェクトの舵取りを担います。(所属していた部署は)裁量をもってできる環境だったので、入社3年目ぐらいから責任ある役割を任してもらえて。
大きな責任の伴う仕事を進めることができたのは、振り返っても貴重な経験だったと今でも思います。
ーーカラクリに入社した経緯を教えてください。
やりがいはありましたが、自分の中の「エンジニア像」と乖離ができたのも事実です。前述の経験から、課題を解決できる・解決の役に立てることに強い思いがあった私の中のエンジニア像は、「自分でお客さんの話を聞き、手を動かすことで要望をカタチにしていく」というものでした。
一方でPMの役割に求められたことはマネジメントであり、自らコードを書くことまでやりたかった私の理想は、求められていない環境でした。もう少しお客さまの声を直接きいて、手を動かせる経験を経てから、マネジメントというキャリアでもいいんじゃないかなと考え始めたのが、転職のきっかけです。そんなときに、NRIでも同僚だった泉(現: Dev Team Leader )からカラクリの話を聞きました。
「今ふわふわしたものを、カチッとできる人を探してるんだけど、どう?(笑)」と。
すごいザックリした説明だったのですが、何か気になって。いろんな企業をみていく中で、これまでの経験を活かし、且つコードに触れながら開発にも関与するという、新しい挑戦ができることに魅力を感じ、セールスエンジニアという道でジョインを決めました。
この入社前後の話は、以前のインタビューにもあるので、よければ読んでみてください。
自社と顧客、開発部門とビジネス部門。求められる役割は「架け橋」。
ーー大企業からスタートアップへの意思決定に、迷いはなかったのでしょうか?
ありませんでしたね。というよりも「たまたまスタートアップだった」という感覚が強かったです。NRI を出ようと思ったのが、自分のやりたいことと自分に求められることの不一致と話しましたが、逆にカラクリは開発に関与できるという点で、一致していた。併せて、PMを経験した自分の「できること」でも求めてもらえたんです。それでいて、前職時代から優秀だった知人もいる。ここまで揃っているのに、腹括らないとなると後悔するなって思っていました(笑)。やってみて、合わなかったら「合わなかったんだな」ということが知れるので、特段デメリットはない。寧ろ、やらなくて後悔するデメリットの方が大きかったと思います。実際、毎日充実しているので、来てよかったです。
ーー入社してから、今日まで(約18ヶ月を)振り返ってもらえますか?
業務ベースではセールス・エンジニアといいながら、コンサル的な案件や、PdMのような機能を請け負ったりと、事業を進める上での「何でも屋」のように色々とやっています。
求められている『役割』については入社当初から大きな変化はなく、2つだと認識しています。ひとつはお客様の抱える問題や課題を具体化し、商談を前に進めること。もうひとつは開発やオンボーディングなど後工程の負荷を最小限に抑えること。
わかりやすい表現だとビジネスサイドと、エンジニアリングの『架け橋』として、双方向に適切なコミュニケーションをとることです。エンジニアと非エンジニアの言葉は全然違う。それをチューニングし、翻訳して仲介していくプロトコル変換機みたいなものです。
チューニングすると一言で言っても「背景(なぜ)」を整理し、「誰に」「何を」伝えるのかまでしっかり定義したうえで、ニュアンスなど含めて「どう伝えるか」(どのように話すか)翻訳に移る。ここまでやって、はじめて適切なチューニングになるので、実際の難易度は遥かに高いと思っています。社内間だけではなく、お客様と社内の間にもチューニングは必要になります。例えば、お客様自身がまだ洗練しきれていない要求や要望を、カッチリとした要件に仕上げること。これも重要なチューニングで、これが高いレベルでできると、後の工程でのリスクを最小限に抑えることができる。
コミュニケーションミスによる余計な負荷をなくす。適切なチューニングができる『架け橋』でいることが私に求められる役割です。
ーー仕事をするうえで、何か「こだわり」を持たれていることはありますか?
前述した通り、私に求められることは、翻訳を含めてチューニングすること。これには、自分自身が顧客を、状況を、プロダクトや幅広い技術を『理解』していないと、自分の言葉にならない。だからこそ「本当に自分はわかっているのか?」ということを、誰よりも自問しなければと心がけています。『知っている』程度で、『理解』していないのではないか?想像に頼って間違った理解をしていないか?本当に自分の言葉で説明できる状態か?これを怠ると自分の役割を果たせません。
あとは、とにかく『時間』にはこだわっています。同じ質だったとしても、成果の価値は時間と共に逓減していきます。最高の成果を提示するために、クイックかつ納期死守で提示することを重要だと捉えています。時間の価値、という意味では手戻りにもかなり気を配っています。プロダクトの提供方法や規模にも依りますが『1:10:100の法則』という経験則があります。コーディング前の設計でのコストを1とすると、テスト後は10、リリース後は100と工程が進むほどに、後でミスが見つかると余計な作業が増えて手戻りが大きくなっていく。自分の担うセールス・エンジニアは、この1がうまくいくように立ち回る必要があります。
理解についても、時間についても何より大事なことは「きっと大丈夫」と安易に思わないことですね。「きっと大丈夫」という時は、大丈夫ではないことが多いので。
セールスとエンジニアの二刀流。難しさ以上の面白さ。
ーーセールス・エンジニアという役割の面白さや、難しさを教えてください
自分は面白い、と感じていますが「難しい」のはセールスとしての立ち回り、エンジニアとしての立ち回り、両面を求められることだと思います。特にお客様から見たら、自分はカラクリのエンジニアとして見られることが多く、商談ではかなり専門的な(技術的な)質問や相談を受けることがあります。ここでしっかりとお客様の問いに答えられないと、お客様からの信用と信頼を得られません。信頼をつくるためには、やはり自分の言葉で話せないといけないですし、相手のニーズを深く理解しなければいけないのです。コミュニケーションの手法としては一般的なセールスなんですが…。
お客様からエンジニアとして見られる以上、自分もエンジニアとして軸を置くようにしています。カラクリに来た理由が開発に関わりたかったからなので、自分でも開発したり、ソースコードを触ったりと、ここの知識・経験のアップデートは意識的にしています。
セールスとエンジニアの二刀流が(大変ながら)面白いと捉えられるのは、自分の知っている・できることが広がっていくのが純粋に喜びだからだと思っています。セールスだけでは見えない視点・得られない経験があれば、開発だけでは見えない視点・感じられないものもあります。それを自分が吸収できる喜び、それをカラクリに還元することで成せるお客様の課題解決。難しい以上に面白いですよね。
ーー関川さんからみて、カラクリの組織、エンジニア組織はどんな組織ですか?
カラクリ全社でいうと…ラボですね。実験室のようなイメージで、あちらこちらで試行錯誤している。データドリブンで「これやったほうがよくない?」という仮説(やインスピレーション)が出たら、とりあえず試してみることができる文化。もちろん総出で試すのか、自分で試すのかは内容によりますが。プロダクトに限った話ではなく、「こうすれば質の高い提案ができるのではないか?」ビジネスサイドでも気軽に試すことができる。
仮説というのは日頃からアンテナを張り、関心を持ち、分析し、研究が習慣になっていなければ生まれません。仮説を仮説で終わらせず、試せるのがカラクリ全社の魅力ですね。
Dev Group (=エンジニア組織)は、自由と自律を高いレベルで備えた優秀なメンバーで構成されていると感じています。自身の考え方だけではなく、客観的な考えも加味したうえで、自分が何をすべきかを判断して行動できる。結果として、自らが課題を設定して解決できる組織になっていると思います。
組織でみるとマイクロマネジメントをされない、どちらかといえば放任に近いマネジメントスタイルです。だからこそ、自分で考え、やるという「自分」の余地が生まれる。これは働くうえでは心地良いですが、本当に自律したメンバーが、課題解決を起点にしているから、成り立っているんだなと思います。裁量(自由)には、考動と結果の責任が伴うので、個々の自律が問われますからね。
本当に迷った時、相談した時には「こっちの方がいいんじゃない?」と意見をもらえるのも、気兼ねなく挑戦できている要因ですね。単純な良い悪いの問題ではなく、どちらも正しく判断に迷うケースが多いので、いざという時にそういったフォローがあるのが心強い。失敗して厳しいフィードバックをもらったとしても、挑戦そのものが非難されることはない。本当の意味で「心理的安全性が高い組織」なのではないでしょうか。
ーー関川さんが実現したい“ Empowerment ”とは、どういったカタチでしょうか。
まずは来期(FY2023)からセールス・エンジニアチームが新設されるにあたり、チーム化を進めていく必要があります。自分が入社してから、川端(AI Team)が入社し、広範囲に渡り色々やってきました。それから6月に経験豊富な伊藤さんが入社し、より組織としての機能が求められるフェーズにきていると感じています。広範囲に色々できるのはメリットもあるのですが、色々できるだけでは、やることが分散してしまう。チームとして一番バリューを発揮できるポイントを見極め、組織としての軸を見出すタイミングです。
カラクリのプロダクトの魅力は「 UX 」。使っていて気持ちのいいサービスです。
でも、カラクリならもっと先、気分をあげるサービスになることも不可能ではないと思っています。お気に入りのペンを使っている時、いつもより作業がはかどったり。好きな服を着ているときに、いつもよりもウキウキしたり、なんかわからないけど、気分が上がるものってある。カラクリのプロダクトはまさにそこを目指していける。
そこに至るために、課題はいくつかありますが一つが「カラクリといえばチャットボット」からの脱却になると考えています。現在の主軸サービスはチャットボットで、その先で smartFAQ や hello などのサービスに繋がっている。入口のカタチがチャットボットであることは悪いことではないですが、それありきではない。
もっといえば、カラクリの根幹の強さのひとつが AI です。『CSをエンパワーメントする』というサービスミッションのもと、「カラクリといえばAI」で課題を解決する集団であると伝え続ける必要があるし、私たちセールスエンジニアが伝えきれていないことも事実です。
お客様の課題を解決するために、抽象・具体、粒度の違いを問わずに伝える技術が必要になりますし、カラクリの魅力を、お客様に適切なカタチで届けるにも技術が必要になる。そのような技術を高めることによって、困った時の駆け込み寺にもなれる。
これらの技術こそがコミュニケーション・スキルだと思っています。
これまでも、コミュニケーションのチューニングを行ってきましたが、まだまだです。
コミュニケーション・スキルを究極的に高め、本質的な課題解決を導く。
開発部門、ビジネス部門、お客様を繋ぐ。
課題解決のコミュニケーション・ハブになる。
それが私の掲げる“ Empowerment ”のカタチです。
カラクリでは、関川と一緒に「カスタマーサポートをエンパワーメントしていく」仲間を募集しています。